一瞬で壊れた信頼──食品ロス表彰、フクシマガリレイの受賞を取り消し

 5月27日、消費者庁は「令和6年度食品ロス削減推進表彰」において、「食品ロス削減推進表彰審査委員会特別賞」を受賞していたフクシマガリレイ(株)(大阪市西淀川区)の表彰を取り消したと発表した。

 同社は、社会貢献活動「ガリレイ1%クラブ」の一環として、フードバンクなどに業務用冷凍冷蔵庫を寄贈し、食品ロス削減に貢献したことが高く評価され、2024年10月30日に同賞を受賞していた。しかし、23年6月から24年7月までの間に、同社が下請代金支払遅延等防止法に違反する行為を行っていた事実が判明。この事実を重く見た消費者庁は、受賞の適否を再評価し、表彰を行うことは不適切と判断。所要の手続きを経て、正式に表彰の取り消しを決定した。

 「信頼は築くに年月、壊すは一瞬」とはよくいわれるが、まさに今回のケースがそれを体現している。善意に基づく社会貢献であっても、法令違反という一事が、積み重ねた評価や信用を台無しにする結果となった。

 また、同庁は24年9月27日に公表していた「令和6年度食品ロス削減推進表彰」受賞者一覧についても、本件を反映した内容に更新。具体的には、特別賞の受賞件数を従来の5件から4件に修正し、フクシマガリレイに関する記載を削除した。

 食品ロス削減の推進は社会的に重要な課題であり、民間企業の貢献も期待されるなか、公正性と信頼性が一層求められる事例となった。

▼関連情報
(2025年2月19日)下請法違反に係る勧告(公取委公表/大阪)

【松本悠子】

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